乾燥肌の改善方法は？というキーワードで検索すると、多くの記事がヒットしますが、どれが本当に効果的なのでしょうか。
乾燥肌は、肌の水分が不足して潤いがなくなった状態で、カサカサしたり、シワになったり、白く粉を吹いたりします。
見た目が悪いばかりでなく、乾燥肌が進行すると痒みや赤みなどの不快な症状が出てくるため、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
乾燥肌を改善するには、スキンケアだけでなく、食事や生活習慣にも気を付ける必要があります。
この記事では、乾燥肌の原因と改善方法について、医師監修の情報をもとに詳しく解説します。 ぜひ最後までお読みください。
乾燥肌の原因とは
乾燥肌になる原因は、次の5つがあります。
- 年齢的な要因
- 紫外線
- 生活習慣の乱れ
- 室内外の乾燥した空気
- スキンケアの間違い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
年齢的な要因
年齢を重ねると、肌に潤いを保つ成分が減少します。 例えば、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などは、肌の弾力や水分保持力に関係する成分ですが、加齢とともに減ってしまいます。
その結果、肌の内部にある水分を保つ力が弱くなり、潤いのない乾燥した肌になります。
また、女性は年齢によりホルモンバランスが乱れることも乾燥肌の原因のひとつです。 女性は30代を超えると女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量が減り、さらに更年期以降は皮膚のトラブルが発生しやすくなります。
ホルモンのバランスが崩れることによりバリア機能が低下し、乾燥肌になる方が多いです。
紫外線
紫外線は肌にダメージを与える最大の原因です。 紫外線を浴びると、肌表面の皮脂膜や角質層が攻撃されてバリア機能が低下します。
皮脂膜や角質層は水分の蒸発を防ぐ役割がありますが、紫外線によって傷つけられるとその働きが弱まります。 その結果、肌内部の水分が蒸発しやすくなり、乾燥肌になります。
また、紫外線はコラーゲンやエラスチンを壊すことで肌の弾力を低下させたり、メラニン色素を増加させてシミやそばかすを作ったりします。
紫外線は肌の老化の8割を担っていると言われています。 そのため、紫外線対策は乾燥肌だけでなく、美肌のためにも欠かせません。
生活習慣の乱れ
仕事が忙しくなって睡眠時間が減ったり、外食が増えたりして、生活習慣が乱れることがあります。
生活習慣の乱れにより食事や睡眠が不足すると、ターンオーバーと呼ばれる肌の新陳代謝の周期が乱れ、乾燥肌の原因になります。
また、運動不足も乾燥肌の原因です。 運動すると血行促進やストレスの解消、睡眠の質が向上します。 一方、運動をしないと血行が悪くなり新陳代謝が活性化されません。
乾燥肌の改善には、規則正しい生活習慣と適度な運動を継続することが大切です。
室内外の乾燥した空気
乾燥した空気に触れると、肌の水分を保つ機能が低下し、乾燥肌の原因になります。 スキンケアで充分に保湿していても、空気が乾燥していると水分が蒸発しやすくなるため、注意が必要です。
特に冬の室内ではストーブやエアコンなどの暖房器具を使うので、部屋の空気が乾燥します。 そのため、肌の乾燥も進行しやすい状態です。
また、冬は戸外の空気も乾燥していることが多く、肌の潤いを保つ脂質や保湿因子が減少し、乾燥肌になりやすくなります。
乾燥した空気は乾燥肌に悪影響を与えるため、部屋の内外を問わず充分に注意しましょう。
スキンケアの間違い
スキンケアの間違いが原因で、乾燥肌が改善しない場合があります。
洗顔をする際に肌をこすったり、化粧水を過剰にパッティングしたりすることにより、肌表面の皮脂を取り過ぎてしまい、水分の蒸発を防止できなくなることが原因です。
また、メイクをする時や落とす時にも肌に摩擦が加わるため、バリア機能が低下し乾燥肌につながります。
乾燥肌の改善方法とは
乾燥肌を改善する方法は大きく分けて2つあります。
- スキンケアで外側から保湿する
- 食事や生活習慣で内側から保湿する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
スキンケアで外側から
スキンケアで外側から保湿する方法は、以下のようなポイントに注意して行うことが大切です。
- 洗顔は優しく
- 化粧水はたっぷり
- 乳液やクリームでしっかり保湿
- 日焼け止めを忘れずに
それぞれ詳しく見ていきましょう。
洗顔は優しく
洗顔は乾燥肌の改善にとても重要なステップです。 洗顔をする目的は、肌に付着した汚れや余分な皮脂を落とすことですが、肌に必要な皮脂まで取り過ぎてしまうと、肌の水分が蒸発しやすくなります。 そのため、洗顔は優しく行うことが大切です。
洗顔の際に気を付けることは、次の3つです。
- 洗顔料は肌に合ったものを選ぶ
- 洗顔料は泡立ててから使う
- 洗顔後はすぐに化粧水をつける
まず、洗顔料は肌に合ったものを選ぶことが重要です。 乾燥肌の場合は、弱酸性や無添加、低刺激などの優しい洗顔料がおすすめです。
また、洗浄力が強すぎるものやアルコールが含まれているものは避けましょう。 これらの成分は肌の水分を奪ってしまいます。
次に、洗顔料は泡立ててから使うことがポイントです。 泡立てることで、洗顔料が肌に密着しやすくなります。
また、泡で包むようにして洗うことで、摩擦を減らして肌への負担を軽減できます。 泡立てネットや泡立て器などを使って、ふわふわの泡を作りましょう。
最後に、洗顔後はすぐに化粧水をつけることが大切です。 洗顔後は肌が一番乾燥している状態です。
そのため、10秒以内に化粧水をつけることで、肌の水分を補給しましょう。 化粧水をつける際は、手のひらに取って温めてから、優しく押さえるようにして馴染ませます。
化粧水はたっぷり
化粧水は乾燥肌の改善に欠かせないアイテムです。 化粧水の役割は、肌に水分を与えることですが、それだけでは不十分です。
化粧水をつけた後に乳液やクリームなどで蓋をしないと、化粧水が蒸発してしまいます。 そのため、化粧水はたっぷりと使ってください。
化粧水を使う際に気を付けることは、次の3つです。
- 化粧水は肌タイプに合わせて選ぶ
- 化粧水は2回以上重ね付けする
- 化粧水はコットンではなく手でつける
まず、化粧水は肌タイプに合わせて選ぶことが重要です。 乾燥肌の場合は、保湿成分が豊富な化粧水がおすすめです。
例えば、ヒアルロン酸やセラミド、コラーゲンなどの成分が含まれている化粧水が良いでしょう。 また、アルコールや香料などの刺激成分が少ないものを選びましょう。
次に、化粧水は2回以上重ね付けすることがポイントです。 一度にたくさんつけるよりも、少量を何度か重ね付けする方が肌に浸透しやすくなります。
重ね付けする際は、化粧水が肌になじんだら次の量をつけるようにします。 また、重ね付けする回数は肌の状態によって調整しましょう。
乾燥している時は3回以上、普段は2回程度が目安です。
最後に、化粧水はコットンではなく手でつけることが大切です。 コットンでつけると、コットンが化粧水を吸収してしまい、肌に届かないことがあります。
また、コットンでこすってしまうと、肌に摩擦が加わって乾燥肌を悪化させる可能性があります。 そのため、化粧水は手のひらに取って温めてから、優しく押さえるようにして馴染ませます。
乳液やクリームでしっかり保湿
乳液やクリームは化粧水の後に使うスキンケアアイテムです。 乳液やクリームの役割は、化粧水で与えた水分を肌に閉じ込めることです。
乳液やクリームを使わないと、化粧水だけでは肌の水分が蒸発してしまいます。 そのため、乳液やクリームでしっかり保湿することが大切です。
乳液やクリームを使う際に気を付けることは、次の3つです。
- 乳液やクリームは肌タイプに合わせて選ぶ
- 乳液やクリームは適量を使う
- 乳液やクリームは顔全体に均一に伸ばす
まず、乳液やクリームは肌タイプに合わせて選ぶことが重要です。 乾燥肌の場合は、油分が多くてしっとりしたタイプの乳液やクリームがおすすめです。
油分は水分の蒸発を防ぐ効果があります。 また、保湿成分や保護成分が含まれているものを選びましょう。 例えば、ヒアルロン酸やセラミド、シアバターなどの成分が良いでしょう。
次に、乳液やクリームは適量を使うことがポイントです。
過剰に使っても肌に浸透しきらないだけでなく、毛穴を詰まらせたり、肌に負担をかけたりする可能性があります。 そのため、乳液やクリームは適量を使うことが大切です。 適量の目安は、乳液はパール粒大、クリームは小豆粒大程度です。
また、乳液やクリームは化粧水が肌になじんだ後に使いましょう。 化粧水が肌に残っていると、乳液やクリームが肌に浸透しにくくなります。
最後に、乳液やクリームは顔全体に均一に伸ばすことが大切です。 顔の中心から外側に向かって優しくなじませます。
また、目元や口元などの乾燥しやすい部分は重ね付けして保湿します。 乳液やクリームをつける際は、手のひらに取って温めてから、優しく押さえるようにして馴染ませます。
日焼け止めを忘れずに
日焼け止めは紫外線から肌を守るために必要なスキンケアアイテムです。
紫外線は肌の水分を奪って乾燥肌の原因になるだけでなく、シミやシワなどの老化現象を引き起こします。 そのため、日焼け止めを忘れずに使うことが大切です。
日焼け止めを使う際に気を付けることは、次の3つです。
- 日焼け止めはSPFとPAの数値を確認する
- 日焼け止めは適量を使う
- 日焼け止めはこまめに塗り直す
まず、日焼け止めはSPFとPAの数値を確認することが重要です。 SPFとPAは紫外線から肌を守る効果を表す指標です。
SPFは紫外線B波（UVB）から肌を守る効果を示し、PAは紫外線A波（UVA）から肌を守る効果を示します。
紫外線B波は日焼けや赤みなどの炎症を引き起こし、紫外線A波はシミやシワなどの老化現象を引き起こします。
そのため、日焼け止めはSPFとPAの数値が高いものを選ぶことがおすすめです。 一般的には、SPFは15以上、PAは+++以上のものが良いでしょう。
次に、日焼け止めは適量を使うことがポイントです。 日焼け止めの効果は使用量に比例します。 使用量が少ないと紫外線から十分に肌を守れません。 そのため、日焼け止めは適量を使うことが大切です。
適量の目安は、顔全体で1円玉大程度です。 また、日焼け止めは化粧水や乳液などのスキンケアアイテムの最後に使いましょう。
日焼け止めが肌表面に残っていると他のアイテムが肌に浸透しにくくなります。
最後に、日焼け止めはこまめに塗り直すことが大切です。 日焼け止めの効果は時間とともに低下します。
また、汗や皮脂、摩擦などによって日焼け止めが落ちてしまうこともあります。 そのため、日焼け止めはこまめに塗り直すことが必要です。
塗り直す際は、メイクを落としてから塗るか、メイクの上から塗れるタイプの日焼け止めを使いましょう。
塗り直す頻度は肌の状態や紫外線の強さによって異なりますが、2～3時間おきが目安です。
食事や生活習慣で内側から
スキンケアで外側から保湿するだけでは乾燥肌の改善には不十分です。 食事や生活習慣で内側から保湿することも大切です。
食事や生活習慣で内側から保湿する方法は、以下のようなポイントに注意して行うことが大切です。
- 水分を十分に摂る
- 保湿効果の高い食品を摂る
- 睡眠をしっかりとる
- 適度な運動をする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
水分を十分に摂る
水分を十分に摂ることは乾燥肌の改善に欠かせません。 水分は肌の細胞に必要な栄養素を運ぶ役割があります。
また、水分は体温調節や老廃物の排出などにも関係しています。 水分が不足すると、肌の新陳代謝が低下し、乾燥肌の原因になります。
水分を十分に摂るためには、1日に2リットル程度の水や白湯、お茶などを飲むことがおすすめです。
ただし、コーヒーや紅茶などのカフェインやアルコールなどの利尿作用のある飲み物は過剰に摂らないようにしましょう。
これらの飲み物は水分を排出させる効果があります。
また、水分を摂るタイミングも重要です。 食事中や食後すぐに水分を摂ると、消化液が薄まって消化不良を引き起こす可能性があります。
そのため、食事の30分前や2時間後などに水分を摂ることが良いでしょう。
保湿効果の高い食品を摂る
保湿効果の高い食品を摂ることも乾燥肌の改善に有効です。 保湿効果の高い食品とは、水分や油分、ビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富な食品です。
これらの栄養素は肌の水分保持力やバリア機能を高めたり、コラーゲンやエラスチンなどの生成を促したりします。
保湿効果の高い食品の例は、次のようなものがあります。
- 果物や野菜などの水分が多い食品
- 魚やナッツなどの油分が多い食品
- 大豆製品や卵などのタンパク質が多い食品
- 乳製品やレバーなどのビタミンAが多い食品
- 柑橘類や緑黄色野菜などのビタミンCが多い食品
- アーモンドやほうれん草などのビタミンEが多い食品
- ごまや海藻などのミネラルが多い食品
これらの食品をバランスよく摂ることで、肌に必要な栄養素を補給することができます。
ただし、摂り過ぎるとカロリーや脂質の過剰摂取になる可能性があります。 そのため、適量を守って摂ることが大切です。
睡眠をしっかりとる
睡眠をしっかりとることは乾燥肌の改善に効果的です。 睡眠中は肌の新陳代謝が活発になり、肌にダメージを与えた紫外線やストレスなどの影響を修復します。
また、睡眠中は成長ホルモンが分泌され、コラーゲンやエラスチンなどの生成を促します。 これらの成分は肌の弾力や水分保持力に関係しています。
睡眠をしっかりとるためには、1日に6～8時間程度の睡眠時間を確保することがおすすめです。
ただし、睡眠時間だけでなく、睡眠の質も重要です。 睡眠の質を高めるためには、次のようなことに気を付けましょう。
- 寝る前にはリラックスする
- 寝室は暗くて静かにする
- 寝具は清潔で快適にする
- 寝る前には水分やカフェインを控える
- 決まった時間に寝起きする
これらのことを守ることで、深くて快適な睡眠を得ることができます。
適度な運動をする
適度な運動をすることも乾燥肌の改善に有効です。 運動することで血行が促進され、肌に酸素や栄養素を運ぶ効果があります。
また、運動することでストレスを解消し、ホルモンバランスを整える効果もあります。 ストレスやホルモンバランスの乱れは乾燥肌の原因になります。
適度な運動をするためには、1日に30分程度の有酸素運動を行うことがおすすめです。
有酸素運動とは、心拍数が上昇し呼吸が速くなるような運動です。
例えば、ウォーキングやジョギング、サイクリングなどがあります。
これらの運動は肌にも体にも良い影響を与えます。
ただし、運動する際は紫外線対策や水分補給を忘れずに行いましょう。
紫外線や汗によって肌の乾燥を防ぐためです。
まとめ
乾燥肌は、肌の水分が不足して潤いがなくなった状態です。
乾燥肌になる原因は、年齢的な要因や紫外線、生活習慣の乱れ、室内外の乾燥した空気、スキンケアの間違いなどがあります。
乾燥肌を改善する方法は、スキンケアで外側から保湿することと、食事や生活習慣で内側から保湿することです。
スキンケアでは、洗顔は優しく、化粧水はたっぷり、乳液やクリームでしっかり保湿、日焼け止めを忘れずにすることがポイントです。
食事や生活習慣では、水分を十分に摂ることと、保湿効果の高い食品を摂ることと、睡眠をしっかりとることと、適度な運動をすることがポイントです。
これらの方法を実践することで、乾燥肌を改善し、美しい肌を取り戻すことができます。
ぜひ試してみてください。
