新郎新婦の両親は、結婚式、披露宴当日は挨拶回りなどでサポートする役目があります。
その中でも新郎の父は、両家代表として挨拶(謝辞)をすることになります。これは披露宴を締める重要なシーンです。
特に新郎新婦とその両親が一緒に感謝を伝える場面ですから、招待客に対して失礼がないように準備をしっかりしておく必要があります。
しかし、この場面は大切だからこそ、何を言えばいいか迷ってしまうこともあるでしょう。
そこで今回は、新郎の父の披露宴での挨拶について詳しくご紹介したいと思います。
新郎の父は両家代表として挨拶をする?
通常は新郎の父が謝辞をする役目がありますが、新郎の母や新婦の父母、その他の叔父・叔母や祖父母、兄弟・姉妹でも構いません。
最近は両家代表挨拶を親族に任せずに、新郎新婦だけで挨拶するケースも多くなっています。
でも新郎新婦以外が代表挨拶をする場合は、気を付けなければならないことがあります。
それは、両家の親族を代表して呼んだ側の立場で挨拶するということです。
これが分かっていないと、自分の家族や個人的な感想を長々と話したり、親族同士の挨拶に時間を取られたりするような失敗になりかねません。
結婚式は新郎新婦にとって人生で最も大事なイベントです。
そんな重要な場面で、相手側の親族や招待客に不愉快な印象や飽きられる危険は避けたいですよね。
だから謝辞では、
- 招待客への感謝を伝えること
- 新郎新婦への支援や指導を求めること
がメインになるように話すことが大切です。
新郎の父の挨拶で気をつけたいマナー6選!
新郎の父の挨拶で気をつけたいマナーについてご紹介します。
- 謝辞では「お礼・お願い」を言う
- 謝辞は3分くらいで終わらせる
- ゆっくりと話すようにする
- 個人的な話題は避ける
- 姿勢・態度を正す
- 忌み言葉は使わない
それでは詳しく見ていきましょう。
謝辞では「お礼・お願い」を言う
謝辞で話すべき内容は次の通りです。
【謝辞の基本的な内容構成】
- 自分が誰なのか・挨拶
- 招待客や式場に対する感謝(+式場への感謝)
- 父親として感じること→工夫したいポイント
- 最後に(今後の期待やお願い)
謝辞では、招待客や式場に対する感謝や、新郎新婦への支援や指導をお願いすることを伝えます。
ただし、③の「父親として感じること」は人それぞれ違います。
この部分で話す内容によって、笑わせるものになったり、泣かせるものになったりします。
詳しい内容は後で説明しますが、自分らしさを出すチャンスなのでここは頑張りましょう。
謝辞は3分くらいで終わらせる
披露宴はだいたい2時間半~3時間くらいかかります。
挨拶から始まって、余興や演出などを行うときは、時間の使い方が大切です。
余興や歓談、お色直しで30分くらい使うので、スピーチや挨拶に使える時間は一人あたり5~6分くらいが理想です。
この5~6分の中には、マイクに向かう時間も入っています。
ですからスピーチや挨拶は3分くらいでまとめると、スムーズに挨拶を終わらせることができます。
ゆっくりと話すようにする
招待客の前で挨拶をするときは、みんなが聞きやすいようにゆっくりと話すことが大切です。
そして、声の大きさも気をつけましょう。
招待客に届くようにと思って、大きい声で話し過ぎると逆に騒がしく感じられてしまいます。
滑舌を意識しながらゆっくりと聞きやすい声で、語るように話すことができるように事前に練習しましょう。
個人的な話題は避ける
新郎の父の挨拶(謝辞)では、次のような話題は話さないように気を付けましょう。
【話さないほうがいい内容】
- 年齢について
- 見た目や体型について
- お金や仕事について
- 学歴や資格について
- 子どもや孫について
- 政治や社会問題について
- 信仰や宗教について
このように、新郎新婦のプライベートなことを暴露したり、批判したり、誇示したりするのはマナー違反です。
さらに、「〇〇歳でようやく結婚した」「早く子どもが欲しい」などの発言は控えめにしましょう。
姿勢・態度を正す
新郎の父の挨拶(謝辞)では、次のような姿勢・態度は話さないように気を付けましょう。
【話さないほうがいい態度】
- 顔を下げて原稿ばかり見る
- 嫌そうな態度で話す
- 長々と話す
- 酔っ払って言葉が滑る
- 威張ったような態度で話す
両家の代表として挨拶をする場面で、上記のような姿勢・態度では印象が良くありませんよね。
たとえ内容がしっかりしていても、これでは招待客に感謝の気持ちが伝わりませんし、聞き流されてしまいます。
両家の代表として誇りを持って、招待客に感謝の気持ちを伝えるためにも、しっかりと目を見て姿勢良く話すことが大切です。
忌み言葉は使わない
結婚式などのお祝いの席で、使うと不運を招くとされる忌み言葉があります。
具体的な言葉については次のようなものです。
【忌み言葉とは?】
- 別れや不幸を思わせる言葉(去る、切る、壊れる、消える等)
- 再婚を想起させる言葉(再び、戻る、繰り返す等)
- 重ね言葉(たびたび、またまた、ますます等)
- 終わりを意味する言葉(最後・最期、終焉、終わり等)
このような言葉は縁起が悪いとされており、お祝いの席では使わない方が良いです。
気づかないうちに使ってしまうこともあるかもしれませんが、自分が作った原稿に忌み言葉が入っていないかチェックしましょう。
新郎の父の挨拶で参考になる例文を紹介します!
新郎の父として挨拶するときに参考になる例文をお伝えします。
例文のなかで、特に個性が出るところは「父として思うこと」のところです。
ここでは何を話したいのかで内容が変わってきますので、自分が一番伝えたい気持ちを見つけるための参考にしてください。
例文1. 招待客に感謝を伝えるもの
(自己紹介・挨拶) 本日は多忙の中、息子夫婦の結婚式にご参列頂きまして、心より感謝申し上げます。ここでご挨拶をさせていただく者は、新郎の父の〇〇と申します。両家を代表して、恐縮ではございますが、御礼の言葉を述べさせて頂きます。
(招待客への御礼) これまでに、多くの方々からのお祝辞や、優しい激励の言葉を頂きまして、今日という素晴らしい日を迎えることができたのも、皆様のお力添えがあったからです。
(父として思うこと) 皆様にお祝いされ、ご協力やご教示を受けながら、新たな生活が始まる二人はこの上もなく幸せです。親として見てもまだまだ成長途中な二人ですが、こんなに立派な方々の後ろ盾があるのですから、必ず皆様に誇れるような夫婦になるでしょう。新郎新婦は、素晴らしい方々をこれからも大事にしてほしいと願っています。
(締めの言葉) 今後も引き続き、どうか皆様から温かく見守っていただきますよう、お願い申し上げます。最後になりましたが、本日ご出席いただきました皆様のご健康とご幸運をお祈りし、両家代表のお礼の言葉とさせていただきます。本日は本当にありがとうございました。
例文2. 息子の成長を誇るもの
(自己紹介・挨拶) 本日は多忙の中、息子夫婦の結婚式にご参列頂きまして、心より感謝申し上げます。ここでご挨拶をさせていただく者は、新郎の父の〇〇と申します。両家を代表して、恐縮ではございますが、御礼の言葉を述べさせて頂きます。
(招待客への御礼) これまでに、多くの方々からのお祝辞や、優しい激励の言葉を頂きまして、今日という素晴らしい日を迎えることができたのも、皆様のお力添えがあったからです。
(父として思うこと) 新郎の〇〇は、幼い頃からあまり目立つタイプではなく、周囲に合わせて、気配りができる優しい子でした。新婦である〇〇さんと知り合い、二人でご挨拶に来てくれた時には、真摯な目で私に向かって、結婚したい気持ちを伝えてくれました。自分の意志を主張することが少なかった〇〇が、〇〇さんという、自分が守りたいと思う人ができたことを、心から喜んでおります。
(締めの言葉) 今後も引き続き、どうか皆様から温かく見守っていただきますよう、お願い申し上げます。最後になりましたが、本日ご出席いただきました皆様のご健康とご幸運をお祈りし、両家代表のお礼の言葉とさせていただきます。本日は本当にありがとうございました。
例文3. 少し笑いを入れたもの
(自己紹介・挨拶) 本日は多忙の中、息子夫婦の結婚式にご参列頂きまして、心より感謝申し上げます。ここでご挨拶をさせていただく者は、新郎の父の〇〇と申します。両家を代表して、恐縮ではございますが、御礼の言葉を述べさせて頂きます。
(招待客への御礼) これまでに、多くの方々からのお祝辞や、優しい激励の言葉を頂きまして、今日という素晴らしい日を迎えることができたのも、皆様のお力添えがあったからです。
(父として思うこと) 息子の〇〇が、新婦である〇〇さんと知り合ったのは、半年前ほど前のことです。私が20年早く生まれていたらなあ、と思わせるほどに、非常に品格があり、思いやりがある素敵なお嬢さんです。〇〇さんを大切に育てられたご両親様には感謝しきれませんし、○○を選んで下さった〇〇さんにも心から感謝しております。
(締めの言葉) 今後も引き続き、どうか皆様から温かく見守っていただきますよう、お願い申し上げます。最後になりましたが、本日ご出席いただきました皆様のご健康とご幸運をお祈りし、両家代表のお礼の言葉とさせていただきます。本日は本当にありがとうございました。
新郎の父としての思いを伝えましょう!
新郎の父の挨拶(謝辞)は、両家を代表して披露宴を盛り上げるための重要な場面です。
最近では新郎新婦だけで挨拶をすることも多くなっていますが、挨拶を任されたからには相手方の両親や招待客に失礼がないように気を付けなければなりません。
そのため、披露宴で挨拶をする時のマナーはしっかりと覚えておきましょう。
また、新郎の父の挨拶(謝辞)は招待客への感謝と、新郎新婦への協力・助言をお願いする気持ちを伝える場です。
自分の思いだけを話してしまわないように、上記を参考にして伝えるべきことがしっかりと伝わるような素敵な挨拶を考えましょう。