同棲中は、相手の長所だけでなく、短所も目に入るようになります。
仕方ない事情で同棲をやめるなら理解できますが、相手にいきなり同棲解消を告げられることもあるでしょう。
自分が納得しない理由で同棲をやめられたら、相手に慰謝料を求めることは可能でしょうか？
基本的には、単に、同棲をやめるだけでは慰謝料を求めることはできません。
でも、相手との婚約関係が立証できるなら、同棲解消で慰謝料を求めることができます。
ここでは、同棲解消の際に生じる慰謝料について、詳しく説明したいと思います。
同棲解消で慰謝料をもらえる場合は？
同棲をやめるときに結婚したり別れたり復縁したりするケースをそれぞれ紹介 同棲をやめる理由が納得できなくて、相手に慰謝料を払ってほしいと思うこともあるでしょう。
でも、実は、同棲をやめる理由が何だろうと、相手とただ付き合っているだけなら、慰謝料をもらえないんです。
同棲をやめたことで慰謝料をもらえるかどうかは、相手と婚約しているかどうかが重要なポイントです。
それは、相手と婚約しているなら、「同棲をやめる＝婚約を破る」とみなされるからです。
でも、同棲をやめられた人がこんなことをしていたら、慰謝料をもらえません。
- 慰謝料をもらえないこと
- 他の人と浮気していた
- 相手に暴力をふった
- 相手にモラハラした
- 家から逃げ出したことが何回もあった
- お金をたくさん借りていた
- 相手のお金についてDVした
これらのことは、婚約を破るのに正しい理由だと認められます。
だから、これらの正しい理由がなくて婚約を破られたら、慰謝料をもらえます。
つまり、相手と婚約していて、正しい理由がなくて同棲をやめられたら、婚約を破られたとして慰謝料を求めることができます。
婚約者と別れるとき、同棲解消の慰謝料はどのくらいで、誰が払わなければならないのか？
婚約破棄のときに同棲をやめると慰謝料はどうなるのか、相場や払わなければいけないかどうかなど、詳しく調べてみましょう。
婚約者との関係が本当に婚約だったかどうかが大切
婚約破棄で同棲をやめるときに慰謝料を払うかどうかは、相手と婚約しているかどうかが決め手です。
では、相手と婚約していると認められるときの条件や証拠について、詳しく調べてみましょう。
婚約だったと認められるためにはどうすればいいのか？
婚約関係が成立するには、次の条件が必要です。
- 結婚することを友人
- 知人に伝えていた
- 両親と会って挨拶をしていた
- 婚約指輪を贈り合っていた
- 結納を済ませていた
- 結婚式場や新婚旅行の手配をしていた
ただし、「結婚しよう」とお互いに言っただけでは、婚約関係の証拠にはなりません。
第三者にも結婚の約束をしていることが分かるようにしなければ、婚約者とみなされません。
婚約していたことを証明する方法は？
婚約関係を立証するには、次のようなものが必要です。
- 婚約指輪（実物）
- 婚約指輪の購入証明
- 結納式の写真
- 結納金の支払い証明
- 結婚式場との契約書
- 新婚旅行の予約・キャンセルメール
- お互いのLINEでのやりとり
これらに加えて、「おめでとう！」という友人・知人からのメッセージも証拠になります。
慰謝料を求めたい場合には、婚約関係を示すものをできるだけ多く用意しましょう。
同棲解消で慰謝料をもらうにはどうしたらいいのか？
同棲解消で慰謝料を求める場合の手順は、次のようになります。
- 婚約関係を証明するものを用意する
- 内容証明郵便で慰謝料の支払いを求める
- 合意書を作成する
- 慰謝料請求の裁判を起こす
それでは、一つずつ、手順を詳しく説明しましょう。
1. 婚約関係を証明するものを用意する
慰謝料を求めるには、婚約関係が成立していることを証明する必要があります。
婚約関係を示すものについては、上記を参考にしてください。
二人の婚約に関するものなら、何でも証拠として使えるかもしれないので、事前に集めておきましょう。
2. 内容証明郵便で慰謝料の支払いを求める
婚約関係を証明するものを用意したら、婚約者に慰謝料の支払いを求めます。
内容証明郵便を利用すると、慰謝料の請求書を送ったという証拠になるだけでなく、相手にこちらの真剣さを伝えることもできます。
3. 合意書を作成する
慰謝料の請求書を送ったら、両者で話し合って、慰謝料の額や支払い方法を決めます。
話し合いの結果、お互いが納得した場合には、合意書として文書を作成します。
慰謝料の支払いに同意したことを示す公正証書となるため、大切に保管しておきましょう。
4.慰謝料請求の裁判を起こす
慰謝料を求めても支払いに応じなかった場合には、慰謝料請求の裁判を起こします。
裁判の中で、二人の婚約関係が証明されれば、裁判所から、相手に対して慰謝料の支払い命令が出されます。
それでも、しつこく相手が慰謝料の支払いに応じなかった場合には、財産の差し押さえによる慰謝料の回収をすることもできます。
同棲解消でもらえる慰謝料はどのくらいなのか？
同棲解消で求められる慰謝料の相場は、50～100万円くらいになります。
この金額は参考程度ですが、不倫などの他の理由もある場合には、この金額からさらに増やすことができます。
詳しい金額を知りたい場合には、弁護士に相談することをおすすめします。
理由がなく同棲解消されたら慰謝料をもらうことができる
付き合っている相手から、急に別れを告げられたら、誰でもびっくりしますよね。
特に、相手との結婚を本気で考えていた上での同棲生活だったのであれば、急に同棲解消を言われても、納得できないことが多いと思います。
相手との婚約関係が成立しており、正当な理由のない同棲解消を言われた場合には、慰謝料を求めることができます。
しかし、自分は相手と婚約関係にあると思っていても、それが口約束によるものなのであれば、婚約関係を証明することは難しくなります。
上記を参考に、同棲解消を理由に慰謝料が求められる場合の条件などを確認して、正しい方法で相手に慰謝料を求めましょう。
